温暖な気候でおいしいものも多く、大分の温泉地など観光スポットも多い九州は、地方全体が人気の観光地といえます。ただ、人気があるだけにすでに観光地としては知り尽くされてしまった感がある、と思っている人も多いのではないでしょうか。実は九州には知られざる魅力に満ちた離島が数多くあります。そこで今回は、九州の離島についてそのおすすめポイントを中心にご紹介します。
九州でおすすめの離島7選
九州地方にはたくさんの離島があります。本土とはちょっと違った自然環境や文化など、魅力いっぱいの離島について興味があるという人も多いのではないでしょうか。ここでは九州へ旅行するならぜひ一度は訪れたい、そんなおすすめの7つの離島についてご紹介します。
奄美大島
奄美大島は鹿児島市の南西に広がる奄美群島の一つで、鹿児島県本土と沖縄のちょうど中間地点にあります。面積は約720平方キロメートルで沖縄本島・佐渡島に次ぐ大きさですが、人口は7万人弱で人口密度が低く、のんびりした雰囲気が味わえる島です。東京・大阪などの主要都市から飛行機の直行便が出ており、羽田からは2時間ほどで行くことができます。
「東洋のガラパゴス」の異名を取る奄美大島は、島の大部分を森に覆われており、壮大な自然とそこで育まれる豊かな生態系が魅力です。マングローブの林は日本で2番目に広く、アマミノクロウサギなどの珍しい生き物も生息します。青い海と白い砂浜の広がる風景は、海外のリゾート地のような雰囲気です。
ダイビングやシュノーケリングを楽しめるスポットも数多くあり、島の北部・中部・南部で様々なバリエーションがあります。奄美空港のある北部はアクセスが良いため観光スポットも多く、中でも遠浅で穏やかな「倉崎海岸」が人気です。島一番の繁華街・名瀬市のある中部には、キャンプも楽しめる「大浜海浜公園」や、カヌーに乗れる「黒潮の森 マングローブパーク」があります。南部の「タエン浜」は透明度の高い海と充実した設備が特徴です。シュノーケルはマリンショップで借りることができるので気軽に楽しめます。少し沖に行けばサンゴ礁や熱帯魚を見ることもできます。
能古島
博多湾に浮かぶ離島の一つである能古島は、福岡市の姪浜渡船場からフェリーで約10分というアクセスの良さが魅力です。大型商業施設や高層マンションの立ち並ぶ市街地からほど近い場所で、気軽に自然を満喫することができます。
能古島最大の観光スポットは「のこのしまアイランドパーク」です。これは島の北部に約15万平方メートルもの広大な敷地を持つ自然公園で、中には様々な施設がありますが、特に四季折々の花を楽しめることで知られています。春には桜や菜の花、夏にはひまわり、そして冬にも梅や椿が鑑賞できますが、なんといっても圧巻は秋のコスモスです。海をバックに50万本のコスモスが咲き乱れる様は、思わず写真に収めたくなる美しさです。パークには他にもアスレチックやミニ動物園、遊具などもあり1日たっぷり楽しむことができます。
パークからほど近い場所には「能古島キャンプ村」があります。ヤシの木が植えられ南国リゾートの雰囲気を持つキャンプ場には、かまどや炊事場などの設備が整い、常設のテントもあって初心者でも気軽にキャンプを楽しむことが可能です。また、海辺にはヤシの木につるされた「アルプスの少女ハイジ」風の長いブランコがあり、実際に乗ってみることもできます。
五島列島
五島列島は長崎県最西端にあり、5つの大きな島と無数の小さな島々からなる列島です。長崎港から70~100kmの位置にあり、アクセスは福岡空港や長崎空港から飛行機で30~40分、船では長崎港からフェリーで3~4時間、また高速船では1時間半~2時間弱程度となっています。主要な島々の間はフェリーで結ばれていて、移動が可能です。五島列島はほぼ全域が西海国立公園に含まれ、また日本一美しいともいわれる高浜ビーチや頓泊ビーチなどの絶景もあり、豊かな自然が楽しめます。
一方で歴史も深く、キリスト教が禁止されていた時代にキリスト教徒たちが多く移り住み、彼らが作り上げた山間や海辺の集落は今も受け継がれています。「江上天主堂」をはじめとする50もの美しい教会も点在し、2018年には「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界遺産にも登録されました。
毎年8月の旧盆の際に行われる「チャンココ」は、県の無形民俗文化財に指定されている行事で、南国風の衣装をまとい鉦と太鼓の音に合わせて舞い踊るのが特徴です。ご当地グルメとしては椿油を塗布したコシのある「五島うどん」が有名です。椿油は五島列島の特産品で、食用のほか髪や肌のケアにも使えるとして人気があります。
壱岐島
九州北方の玄界灘に浮かぶ壱岐島は南北約17km・東西約15kmの島で、福岡県と対馬のちょうど中間に位置しています。福岡の博多港からジェットフォイルで約1時間10分、フェリーで2時間20分で行くことができ、長崎からは飛行機で30分です。
壱岐島は「古事記」や「日本書紀」などにも登場し、古墳や神社も多く残るなど歴史を感じることのできる場所です。神社の数は150以上にもおよびますが、中でも有名なのは「月讀神社」で、パワースポットとして知られるほか、満潮になると孤島となり干潮時には陸続きで渡れるようになることから「壱岐のモン・サン・ミッシェル」とも呼ばれています。また白い砂が美しいビーチも10カ所以上あり、遊覧船やマリンスポーツで自然を満喫することができます。アクセスが良いので日帰りも可能ですが、「湯元温泉」にゆっくり泊りがけで行くのもおすすめです。
ご当地グルメの代表は、島内のみで飼育されている「壱岐牛」です。脂の甘味と香りが絶品で「幻の和牛」の異名を取っており、島内にはステーキや焼き肉が楽しめるお店がいくつかあります。また、海に囲まれているので魚介類も豊富で、身が引き締まり濃厚な旨味を持つウニや、噛めば噛むほど味わい深いケンサキイカなどが名産です。
加唐島
加唐島は佐賀県唐津市に属し、東松浦半島突端の名所・波戸岬から約4kmの玄界灘に浮かぶ離島です。面積約2.83平方キロメートル、周囲約14.6kmの南北に長い島で、人口はわずか100人ほどです。島へのアクセスは呼子港から定期船が運航されており、約15分ほどで行くことができます。約255万年前に起きた噴火でできた島とされており、粗面岩質の溶岩流で構成された島はごつごつした岩が多いのが特徴です。
加唐島には神宮皇后が懐妊した際に加唐島で着帯の式を挙げたという伝承があり、今でも島の西岸にある「オビヤ(帯祝い)の浦」という地名にその名残があります。また、加唐島には非常に猫が多く「猫の島」としても知られていますが、反対に犬はほとんどいません。その理由はかつて犬が島の八坂神社の怒りに触れ、そのために犬を飼うことが禁止されていたからだともいわれています。
加唐島でおすすめの観光スポットは、島の北端にある「カリオ岬」です。灯台と展望台があって雄大な景色を楽しむことができ、中でも夕日は絶品です。周辺には野生のヤブツバキも多く群生しており、1月が見頃となっています。このヤブツバキを使った椿油は高品質なことで知られており、お土産にもおすすめです。
対馬
対馬は福岡から航路で132km、韓国・釜山へは約50kmの場所に位置する国境の島です。飛行機では長崎空港から約35分、福岡空港から約40分で、ジェットフォイルでは博多から2時間15分ほどのアクセスです。南北に長い島で面積は708平方キロメートルと、離島では佐渡島・奄美大島に次ぐ大きさとなっています。
国境に近い場所にあるため大陸との交流拠点となってきた歴史があり、独自の文化が育まれてきました。その一例が「対州そば」で、縄文時代にそばが伝わった当時の品種に近く、独特の苦みと風味があります。また、国防の最前線であった「金田城」や「清水山城」などの山城、朝鮮通信使来訪の様子を再現したお祭りなどにも歴史のロマンを見ることができます。
島の多くが壱岐対馬国定公園に含まれる自然豊かな地でもあり、原始林でトレッキングをしたり、浅茅湾で初心者も手軽に楽しめるシーカヤックに挑戦したりと、自然を存分に体感しながら絶景を楽しめる環境です。また、かつて軍が掘削して作り上げた人工の瀬戸があった場所には「万関展望台」が設けられ、周囲を360度見渡すことができます。潮の干満によって瀬戸の渦潮が生じるのを眺めることもでき、その流れはまさに圧巻です。
志賀島
志賀島は博多湾北部に浮かぶ島ですが、砂州によって本土と陸続きになっている全国でも珍しい陸繋島の一つです。海と陸の両方から行くことができ、海の場合は博多ふ頭から船で約30分、陸の場合は海の中道を経由して車で香椎浜から30分、または天神からバスで約1時間と、福岡市内からのアクセスがとても良いのが魅力です。
「漢委奴国王」の文字が刻まれた国宝の「金印」が見つかった島としても知られており、発見された場所とされるところには「金印公園」があります。公園内には玄界灘に面した展望広場があり、金印のレプリカやモニュメントも設置されていて、しばし歴史に思いをはせることができます。また、綿津見三神を祀る海神の総本社で、パワースポットとしても知られる「志賀海神社」も見どころの一つです。緑豊かな森の中にあり、清めの砂を体にかけてからお参りするユニークな神社です。2年に一度、10月に行われる「御神幸祭」は福岡県の無形民俗文化財に指定されており、伝統的な文化を体験することができます。
志賀島は1周わずか12kmの小さな島で、海岸沿いには道路が整備されており、サイクリングを楽しむにはうってつけです。勝馬海岸や東海岸ではダイビングやシュノーケリングも楽しめます。
様々な魅力がたくさん詰まった九州の離島!
今回は九州の様々な離島についてご紹介しました。雄大な自然や独自の歴史、そこから生まれた伝統文化など、離島ならではの魅力を理解していただけたでしょうか。九州へ旅行するなら本土だけでなく、こうした離島での旅も楽しみたいものです。
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