十分な睡眠時間を取れていなかったり、眠りが浅かったりすると、その後の生活にまで影響を与えてしまうことがあります。記憶力や集中力が悪くなったり、翌日の体調が優れなかったりすれば、仕事や家事が思うように進まなくなってしまうことでしょう。毎日を快適で快調に過ごすためには、質の良い睡眠が大切です。そこで、この記事では、すぐに始められる快眠の方法を4つのポイントに分けて解説します。
快眠ポイント①食生活を見直してみよう
快眠に向けて見直しておきたいポイントのひとつが食生活です。食事は誰もが日々取るものですが、その取り方や食べ飲みする内容、摂取するタイミングなどは個人差が生じやすくなっています。ここで紹介するポイントをチェックして、自分は睡眠によい食生活を送れているかを今一度見直してみましょう。
快眠におすすめな食事法
睡眠の質を考えるうえで欠かせないのが体の健康です。「睡眠」と「体の健康」との間には相互作用があり、体が健康であることが良い睡眠を取るための基本となり、良い睡眠を保つことが体の健康を支えます。そのため、快眠を目指すなら健康な体を維持することは必須です。
健康な体を作るためには正しく食事を取ることが大切となります。正しい食事の取り方として押さえておきたいポイントのひとつが食事を取るタイミングです。朝昼晩の3食を規則正しく取るようにすると腹時計が正常に動くようになり、体内時計が正しく働いて、睡眠を含めた生活のリズムが良くなります。3食のうち朝食を取るタイミングに適しているのは空腹状態のときです。空腹にすると血糖値を下げるインスリンというホルモンが働き、体内時計のリセットスイッチが入りやすくなります。朝食時に空腹の状態とするためには、前日の夕食から朝食までの時間を十分に空けておくことが必要です。
また、夕食のタイミングは遅すぎないようにすることもポイントです。夕食の時間を昼食から空けすぎてしまうと、脳が「夕食が朝食である」と勘違いして、体内時計がくるってしまう可能性があります。そのため、基本的には寝る3時間前までに夕食を終わらせておきましょう。さらに、夕食で体内の消化活動をきちんと終わらせておき、睡眠時に胃腸もしっかりと休ませることも大事です。温かく消化の良い柔らかいものを夕食で取ると胃腸を早く落ち着かせることができます。
とりすぎ注意な食材もある
日々口にするもののなかには、過度に摂取すると睡眠を妨げるものもあるため、注意が必要です。特に気を付けなければならないものとして、カフェインとアルコールを含んだ食材が挙げられます。カフェインの過度の摂取を避けたほうがよい理由は、カフェインに身体を興奮状態にする作用があるからです。摂取した後、30分ほど経過すると体内に吸収されて体に刺激を与えるため、そのタイミングで寝ると眠りを浅くしたり、眠気を覚ましたりします。カフェインが十分に消化されるまでには、最低でも若い人だと約1~2時間、高齢者の場合には約4~5時間必要です。そのため、寝る4時間前までに飲むのを止めておきましょう。
一方、アルコールには催眠の作用があります。そのため、寝る前に飲酒すると良く眠れるという人もいます。しかし、アルコールによって眠気が誘われるのは一時的なものです。睡眠自体は浅くなる傾向にあり、睡眠の質は下がります。また、利尿効果があるアルコールの作用によって、夜中に目覚めやすくなる場合もあるため要注意です。
快眠ポイント②生活習慣を見直してみよう
睡眠を促すような生活のリズムができているか、自身の生活習慣を見直してみましょう。ここでは、快眠につながる生活習慣の2つのポイントを紹介します。
適宜な運動が重要
国内外の多くの研究から運動が睡眠に良い影響を与えることが明らかになっています。どれだけの時間が必要かについてはさまざまな説がありますが、運動が快眠の質を上げることは間違いありません。ただし、運動は1回行うだけではなく、定期的に行うことがポイントです。また、1回の運動量は多ければよいというわけではありません。激しすぎると、かえって睡眠を妨げることもあるため気を付けなければならないのです。質の良い睡眠を取るためには、体への負担が重すぎず習慣づけしやすい、体への負荷が軽い運動が有効です。
日中であれば、脂肪や血糖をエネルギー源とする有酸素運動を行うと効果が期待できます。有酸素運動とは、たとえば、軽いランニングやウォーキングなどです。しかし、これらは就寝前に行うと、身体に刺激を与え、かえって目覚めさせてしまうことがあります。そのため、寝る前に運動するなら、さらに軽度なヨガやストレッチなどがおすすめです。
就寝時間を守る
睡眠のリズムを調整する体内時計を規則正しく働かせるためには、毎日の起床時間や睡眠時間を狂わせないことがポイントです。同じリズムで寝起きする習慣を身に付けておけば、寝る時間が近づくと体が自然に寝る準備へ入るため睡眠の質が向上します。また、十分な睡眠時間を確保して毎日寝起きすれば、睡眠不足になることもありません。
慣れないうちは規則正しい時間に起きることが辛く感じることもあるでしょう。しかし、体がリズムを覚えてしまえば、朝起きるときの辛さも感じなくなっていきます。朝が苦手で目覚まし時計だけでは二度寝をしてしまいそうで不安な人は、習慣付くまで睡眠アプリのアラーム機能を利用してみるのも方法です。規則正しい睡眠をより有効に活かすためには、就寝前の学習もおすすめです。何かを学んだあとすぐに眠ると、睡眠の質だけではなく学習効果も上がるというデータがあります。ただし、深夜の時間帯だと効果が薄まるため注意が必要です。
快眠ポイント③入浴方法を変えてみよう
日々の生活習慣のひとつである入浴も睡眠に影響を与えることがあります。ここでは、快眠につながる入浴方法について解説します。
入浴が快眠に与える効果
人が眠くなったり目が覚めたりすることには、深部体温の変化も関係しています。深部体温とは、内臓や脳など身体の深部にある臓器の温度です。人は通常であれば、深部体温が上がると目が覚め、下がると眠くなります。眠りにつきやすくしたいなら、このような体の機能を利用するのも対策です。寝る前に深部体温を上げておき、睡眠時に深部体温が下がるようにしておくとスムーズに眠りやすくなります。
日常生活のなかで、睡眠前に無理なく深部体温を上げておく方法が、入浴です。寝る前の時間帯に湯船に浸かって体の内部の温度を上げておき、入浴後の布団に入るタイミングで深部体温が下がるようにしておきます。深部体温の変化を睡眠に活かすためには、シャワーだけではなく湯船にきちんと入ることがポイントです。湯船に入ったほうが、体の表面温度が上がり、表面の血流が促され、血管が広がりやすくなります。体表面の血管が広がると体の内部の熱の放熱が促進し、体温が下がりやすくなるのです。さらに、十分な放熱で深部体温がしっかりと下がり、睡眠中の体温が安定すれば、夜中に目が覚めて、その後も寝付けなくなってしまうような中途覚醒も防げます。
入浴のタイミングも重要
寝る前の入浴は快眠に有効とされていますが、直前過ぎると効果は弱まります。まだ、十分に深部体温が下がりきらないうちに布団に入ってしまうことになる可能性があるからです。とはいえ、睡眠と入浴の間に時間を空けすぎても、効果は下がります。布団に入る前に深部体温が下がりきってしまうからです。このようなことから、快眠を促すのに適した入浴のタイミングは、就寝の2~3時間前とされています。
快眠ポイント④就寝前の準備をしよう
快適な睡眠を取るためには、就寝前の準備も大切です。ここで紹介する4つのポイントを押さえておきましょう。
部屋の湿度と温度に注意しよう
睡眠環境をきちんと整えておくと、寝苦しさなどを感じさせない質のよい睡眠が維持できます。睡眠環境として大事なのが部屋の温度と湿度です。快適に感じる温度と湿度は人によって異なります。ただし、一般的には、28度を超えない温度を快適に感じる人が多い傾向です。そのため、冷房は26~27度設定が理想となります。一方、湿度は50~60度が快適です。良い睡眠がとれていないと感じたら、温湿度計を使って、自分の睡眠環境を確認してみるとよいでしょう。眠るときに身体に接する布団などの寝具と人の体との間にできる空間の環境を寝床内環境と呼び、理想的な寝床内環境は、温度が33度から上下1度以内、湿度が50%の上下5%以内です。
リラックスできるマッサージを行おう
日中の緊張した体の凝りをほぐし、リラックスした状態で寝ることも睡眠の質を上げるために有効です。睡眠の質を上げるマッサージでは、2つのツボがポイントとなります。1つ目は、高ぶった神経を鎮静させて不眠の悩みを緩和させる「失眠(しつみん)」です。失眠のツボは足の裏側にあります。位置は、かかとのちょうど中央部です。片手の親指を失眠のツボに置いたら、もう片方の手の親指も重ねて、残りの指で足を固定させ、5秒ほど親指でツボに軽く圧をかけます。
2つ目のツボが、疲労回復によいとされる「湧泉(ゆうせん)」です。特に、年齢を重ねることでたまりやすくなる疲れに有効とされています。湧泉のツボがある位置は、足裏の中央より少し上の部分のへこみのある場所です。失眠のツボを押すときと同じように、両手の親指をツボに重ねて5秒ほど圧をかけます。
自分なりのルーティーンをつくってみよう
睡眠前はできるだけリラックスした状態のほうが良い睡眠を導きます。ストレスホルモンを減少させることによって眠りやすくなるため、就寝前には自分が快適と感じる時間を確保するようにしましょう。たとえば、好きな本を読んだり、いい香りをかいだり、軽いストレッチをすることも方法です。また、音楽を聴いたり、日記を書いたりして過ごすのも心を落ち着かせる手段となります。リラックスできる方法は人によって異なるため、就寝前のルーティーンを自分なりに作るとよいでしょう。
寝る前にやってはいけないこと
寝る前に効果的なことがある一方で、避けた方がよい習慣もあります。睡眠前に空いた時間ができると、つい携帯電話やタブレットなどを手に取ってしまう人は注意が必要です。携帯電話などのスクリーンから発するブルーライトは、睡眠のサイクルを作るときに大切なメラトニンやホルモンの生成を抑える作用があるとされています。睡眠前の使用を完全に禁止することが難しい場合には、ブルーライトのフィルターや設定で対策を取るのも方法です。
必要なのは自分自身を大切にする「本物の休息」!
生活習慣の見直しは睡眠の改善につながります。不規則な生活や食生活の乱れを改めて、緊張で凝り固ま
生活習慣の見直しは睡眠の改善につながります。不規則な生活や食生活の乱れを改めて、緊張で凝り固まった体を解放させてあげましょう。ただし、これまでの生活習慣を急に変えようと思ってもきっかけがないと実行に移しにくいものです。
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