ヨガの動きは激しいものではありませんが、エネルギーをたくさん消費します。そのため、ダイエット目的でヨガを行っているという人も少なくありません。ダイエットを成功させるためにはヨガを行うことと並行して、食事を取るタイミングや内容にも気を配ることが大切です。この記事では、ヨガでダイエットしたい人がどのように食事を取れば効果的なのかを紹介します。
ヨガは菜食主義?
ヨガは紀元前4000~2000年頃に、身体と心、魂を神(もしくは宇宙)に結び付ける修行法としてインドで生まれました。ヨガでは教えに基づく行動として菜食主義が推奨されており、ヨガをする人は菜食主義者が少なくありません。ヨガの教えの中には聖者パタンジャリが説いた八支則という8つの段階・行法があります。八支則とはヨガ哲学の基本的な教えで、ヨガを行う人の日常的・社会的な行動規範となりうるものや修行の手順として示されているものです。
その中の禁戒(ヤマ)といわれる日常的に行ってはいけないこととされる心得の中のひとつに非暴力・不殺生があります。つまり、動物を殺生しないという教えを守ることにより菜食主義者となっているわけです。八支則には禁戒の他に日常的に実践すべき行いとされている勧戒(ニヤマ)があり、それらは実践するのが最も難しい教えといわれています。なお、インドのアシュラムでは禁戒と勧戒が実践できなければ、アーサナといわれるポーズの練習を行うスタート地点にすら立てないといわれているのです。日本では、八支則ができていないと受けられないという厳格なレッスンは多くありませんが、八支則を知っておくことによりヨガの本質をより深く理解することができます。
ヨガの八支則とは?
ヨガの八支則とは、ヨガを行う人が心得ておくべき日常生活や社会生活を行ううえでの規範や修行の手順です。その中の禁戒(ヤマ)には、日常生活で行ってはいけない5つの心得が、勧戒(ニヤマ)には日常生活で実践すべき5つの心得が定められています。禁戒は非暴力、非殺生、嘘をつかないこと、自己中心的な行動を戒める不盗、禁欲、貪欲さを捨てる不貪です。勧戒は身体と心をきれいに保つ清浄、今あるものに対する満足、精神鍛錬のために行う苦行、自分の心を良いほうに導いてくれる書物を読む学習、神に祈りをささげる信仰になります。
修行を行うにあたって必要なものは、ヨガの瞑想をするための姿勢(坐法)や、瞑想を行うために呼吸を整え気の流れを整えること(呼吸法、調気法)、自分の感覚を研ぎ澄ませるために内側に意識を向けること(感覚の制御)です。また、修行を行うときの心の流れとして、一点に向かって心や意識を集中させパワーを集める集中や精神統一、雑念から解放された無我の境地である瞑想、ヨガの最終目的である煩悩からの開放、悟りが目指すべきものとして定められています。ヨガのポーズを行うまでに、この八支則は習得しておかねばならないとされているのです。
ヨガ前の食事
ヨガの前に食事をする場合は、直前に取ることは避けましょう。食事はヨガの2~3時間前までに済ませておくのがベストです。消化を行うのには時間がかかるため、胃の中に食べ物がある状態では消化がうまくできませんし、ヨガも十分にできなくなってしまいます。ヨガを行うことによって全身の筋肉が使われて血液の循環が良くなりますが、胃に食べ物がある状態のときは、消化にエネルギーを使おうとしてしまうのです。
その反面、ヨガを行うことで全身にエネルギーを使おうとするため、消化も中途半端になってしまい、身体にもあまりよくありません。また、ヨガのポーズの中にはお腹を下にしてうつぶせになるものやお腹をひねるもの、逆立ちなどがあるため、お腹に食べ物が入っている状態では気分が悪くなり、思うようにポーズができない可能性があります。さらに、ヨガを行う前の食事では、食べる時間以外に食べる量も気を付けることが必要です。
食べる量が多ければそれだけ消化にも時間がかかるため、食べ過ぎを避け、できれば腹七分目程度にしておきましょう。腹七分目とは、あと一品食べられるかな、というくらいのお腹の空き具合です。ヨガは、空腹状態のほうがより瞑想に入りやすいといわれています。満腹のときよりも空腹のときのほうが集中力も高まるため、ヨガを行うときにはできる限り食べ物が胃の中にとどまっていない状態にしておくとよいでしょう。
ヨガ後の食事
ヨガの後にお腹が空いているからと、すぐに食事をするのはあまりよくありません。ヨガを行った後は全身の血流がよくなるため、代謝が上がり脂肪の燃焼をする反面身体の吸収力も上がっています。そのため、ヨガを行った後にすぐ食事をしてしまうと、食べたものが素早く身体に取り込まれてしまい、太りやすくなってしまうのです。ダイエットのためにヨガをしているのに、かえって太ってしまっては意味がありません。こうした状態はヨガをした後2時間ほど続きます。また、ヨガを行うことで内蔵も動かされたり伸ばされたりするため、内臓にも少し疲労がたまっています。
その状態ですぐに食事をすると胃もたれする可能性があり、あまりよくありません。身体への負担を少なくするために、ヨガの後で食事を取る場合は、約2時間後以降を目安にすると良いでしょう。ヨガをする人の中には、プロテインを飲んでいるという人もいるでしょう。プロテインは、傷ついた筋肉を修復するのに役立ちます。また、適切なタイミングでプロテインを摂取することで効率的に筋肉をつけ、ダイエット効果を高めるともいわれているのです。ヨガ後のプロテイン摂取は45分以内に行うとよいでしょう。そうすることで、アミノ酸が全身の筋肉に効いてきます。
ヨガの後に積極的に取りたい食材は、筋肉の元になるたんぱく質を多く含むものやビタミン、ミネラル、カルシウムなどです。身体を温める食材も積極的に取りましょう。白米より玄米、うどんよりそば、葉野菜より根野菜のほうが身体を温める食材とされています。ヨーグルトやチーズ、キムチなどの発酵食品は、乳酸菌を増やし腸内環境を整えるため便秘になりにくい身体を作ることができる食材です。逆に、高カロリーなものやお菓子、ファストフードなどはなるべく食べないようにしましょう。
ヨガと食事の注意点
ヨガを行った後は全身の血流がよく循環するため、身体が温まった状態です。そのため暑く感じて冷たいものを飲みたくなるかもしれませんが、冷たいものをたくさん取ると内蔵が冷えてしまい身体を一気に冷やしてしまうためあまりよくありません。ただし、水分をしっかり取ることで体内の老廃物を外に出しやすくなるため、水分は積極的に取ったほうがよいです。水分を取る場合は、常温の水か白湯をおすすめします。
なお、水分補給はヨガを終えた直後から行っても問題ありません。ジュースやカフェイン入りのものも糖分の摂取につながり、身体を冷やすことになるので、ヨガを行った直後に飲むのは避けたほうが無難です。また、ヨガを行った直後にお酒を飲むことも控えましょう。ヨガを行った後は体内の血液がよく循環しているため、普段と比べて酔いやすい状態になっています。
さらに、お酒は利尿作用もあるため、お酒を飲むことにより脱水症状になる可能性が高く、身体に負担がかかってしまうからです。ヨガ後に飲酒をする場合は、お酒だけを飲むのではなく、何か軽くつまむなどして空腹状態で飲むことを避けましょう。この他、ヨガのレッスンが終わってから食事をする場合、レッスンの終わる時間が遅いと食事時間も遅くなり、睡眠不足につながることがあります。レッスンの終わりが遅い場合は、夕食を軽めにするなどして胃に負担がかからないようにしましょう。
食事の量は1日の中で調整する
ヨガのインストラクターをしている人は、一日に複数のコマ数の授業を担当し、曜日によって授業のコマ数や終わる時間が異なるなど多忙な毎日です。健康と食事という面を考え合わせると、毎日決まった時間に決まった量の食事を取ることが理想とされています。しかし、インストラクターの仕事をしていると、それを実践することは難しい場合も多いでしょう。そのため、食事の量は一日の中で調整していくのが良いでしょう。まずは、自分のスケジュールを見直すところから始めましょう。食事ができるタイミングに合わせて食べる量や内容も調整していくことがポイントです。
おやつにおすすめなのはナッツ
ヨガは空腹状態にあるほうがより瞑想に入りやすいため適していますが、だからといってお腹が空きすぎてふらふらの状態で行うのはよくありません。レッスン前にお腹が空いてしまって我慢ができないというときには、胃に負担がかからないものを少量取るようにしましょう。おすすめの食材としてナッツがあります。ヨガのインストラクターの中には、ナッツをおやつとして常食している人も少なくありません。常備しておく食品は、気温などで劣化しにくく腐りにくいものがおすすめです。
ナッツやドライフルーツなどを数種類取り合わせてボトルなどに入れてカバンに忍ばせておけば、持ち運びも楽にできます。少量ずつ食べることができるので、レッスン前に時間がないときにも小腹を満たすことができます。ナッツやドライフルーツはミネラルや食物繊維など身体にも良い成分がたくさん含まれており、ダイエット中の人は積極的に取りたい食材です。ナッツやドライフルーツは噛み応えもあるため、少量でも満足感が得られます。また、コンビニなどを覗いてみると、手軽に食べられるさまざまな常備食品が販売されているので、こうしたものを利用してもよいでしょう。シリアルバーやグルテンフリーのクッキーなどもダイエットをしている人のおやつとして向いている食品です。
自分に合った食事スケジュールを!
ダイエットを目的でヨガをする場合、食事のタイミングや内容に気を遣うことが必要です。どのタイミングで食事をするかによって身体のコンディションが変わってきます。自分のレッスンスケジュールに合わせて食事の時間を調整していきましょう。
ウェルトリでは、リトリート&ネイチャースポーツ専門のツアーをご提供しております。
日常の疲れから心身を解放する非日常のウェルネス旅に出てみるのはいかがでしょうか。
リトリート&ネイチャースポーツの旅・ホテル予約サイト
ウェルトリ https://wellnesstrip.nobitel.jp/